おや、かわいい。今回はジャケ買いならぬ表紙買いです。mihirock著『LONLY GIRL 五万年後の孤独』。センスのいい表紙ですねえ。
中身をパラパラ見られないセルパブ電子書籍にとって、表紙というのはとても大事です。「なろう」だと「あらすじが大事」みたいなことを言われるけれども、kindle小説の場合、内容紹介よりも表紙の方が訴求力があると思います。
ただ、僕自身も含めて大抵の著者には、かっこいい美しい表紙を作れるだけの素養や才能がありません。だから、その他諸々の作業も含めて出版代行業者に頼んだりするのでしょうけれど、そんなにお金ないよという場合は自作するしかないわけで……そこらへんがセルパブ小説のジレンマでしょうかね。
僕は『〈堕剣士〉キロク』2冊の表紙絵を、絵師の方(L/M MUFFETさん http://lmmuffet-darkart.jimdo.com)に、ちゃんとお金を払ってお願いしました。表紙がいいと中身の印象も三割増しになるかどうかはわかりませんが、個人的には表紙がチャチだと肝心の小説まで素人っぽく感じます。皆さんはどうなんでしょうか。
〈スキン〉――拘束する柔肌――は皮膚のように全身の体表を覆い、五体の自由を奪います。それはあたかも存在しないかのごとく、脚を上げることも指を折ることも装着者自らの意志であるかのように機能するのですが、外部からの信号が途絶えた途端、随意筋はすべて働かなくなり、その体は糸の切れたマリオネットのように床にくずおれることになるのです。
「私」が己の死を望むのは自由です。しかし、ひとたびそのためにナイフを掴めば〈スキン〉は脳波パターンからそれを察知し、筋肉活動を停止させてきます。「私」は己の体という極めてパーソナルな監房に収容されているのです。
電子脳〈偉大なる裁判官〉はネットワークを経由するすべての情報を検閲し、全人類の幸福のために全人類一人ひとりに最適な行動を導き出します。〈偉大なる裁判官〉による完璧な情報統制によって、数々の不確定要素は的確に把握され、世界全体の経済はかつてない安定を手に入れました。
全人類はこのAIがもたらした繁栄を享受していますが、「私」はこの全人類には含まれません。なぜなら「私」は生まれつき天才を超えている〈溢れすぎた知性〉を持つ、人間以上の存在だからです。しかし、「私」が存在する理由は国家秘密であり、「私」自身にすら伏せられていました。「私」が〈偉大なる裁判官〉に罰せられたのは、その禁忌に触れようとしたからに他なりません。
この「私」の前へマキタなる研究者が現れて、もうひとりの〈溢れすぎた知性〉に引き会わせます。マキタの娘である〈少年〉イサム。その幼い肉体はもはや限界を迎えようとしていました。
「私」を収容所から連れ出したマキタの目的は何か。「私」は何を選択し、人類は何を手に入れるのか。そして、そのとき「私」の孤独は癒されているのでしょうか。
静謐な感じのSF。八月なのになぜか一日だけ妙に寒い日があったりするでしょ? あんな感じの小説です。読み終わると、誰もいない砂浜へ行きたくなります。https://www.amazon.co.jp/dp/B076M6YDST
うちの子もかわいい。というわけで、僕の小説もぜひお読みくださいませ。全部 kindle unlimited で読めます。

ラノベっぽくないのを読みたいと思って見つけてきました。松元大地『サーバ・ウォーズ』3分冊。第一幕「開戦」、第二幕「攻防」、第三幕「決着」。3分冊というと長大な小説という気がしますが、そんなことはありません。たぶん3冊合わせて200ページ弱くらいの長さ。むしろ長めの中編小説でしょうか。
ちょっと前まで表紙が猫の写真だった『サイバーガジェットラッキー』のシリーズ。現在3作目まで出ていますが、今回読んだのはその1作目。作者は大変な多作家で、ジャンルも多岐にわたるようです。「ようです」というのは、Author Central で4ページにも及ぶ作品リストの内容紹介しか読んでいないからで、BLや童話、シリアスな作品もありました。が、今回はSFギャグコメディを選んでおります。
話は1967年に始まる。日本ではグループサウンズがブームとなり、第2次佐藤内閣が発足し、高度経済成長期の真っ只中であるが、中国では、50年代の大躍進政策で失敗し国家主席を辞任していた毛沢東の権力奪還の手段として始まった文化大革命が、そのピークを迎えていた。
今回は斜塔乖離さんの『ンルドヴァは瑪瑙の模様の夢遊の誤謬』です。じつは以前に読んでいて、今回初めてというわけではありません。これは非常に奇妙な小説で、著者が内容紹介で断りを入れているとおりきわめて人を選ぶ本です。