昭和でダーリンといえば「マクマーン&テイト社」の宣伝マンか、友引高校2年の恋多き男でありました。
それでもって、ひとをダーリンと呼ぶ女性は出身国、出身星系にかかわらずどうやら空が飛べるらしい、と僕らは漠然と理解していたのでありますが、本作のヒロインもやはり空を飛べるのです。
なるほどそこがキモか。出自に関係なく空が飛べれば、人をダーリンと呼んでもいいんですね。
というわけで今回は波野發作『旦那サマは魔法が使えナイ』です。この『奥さまは魔女』と対偶関係にあるような題名の小説を簡単にまとめるなら、魔法が使えない旦那様が冒険へ出かけるたびに、主人公が内緒で追いかけていって魔法でお手伝いするというパターンの連作短編です。
6話まで出ておりまして、主人公の出自や旦那様との関係にまつわる秘密が話を追うにしたがって徐々に明らかになっていきます。
興味深いのは、魔法とコンピュータのアナロジーのさせ方です。呪文をプログラミング言語のように描くのは、何もこの小説が嚆矢ではありませんが、ここまでコンピュータ側に寄せているのは珍しいと思います。
一つ一つの呪文はプログラム言語の命令のようなものでしかなくて、魔法で何かを実現しようと思ったら、複数の呪文を組み合わせて作らなければならないし、そこにいちいち変数とか入れていかなければならない。だから、そこに術者個々の個性が出てくるんですね。また、どれだけ大きな魔法を使えるかも、術者の持っている魔法回路の能力に依存していて、そこにソフトとハードの相関性も上手く使われています。主人公はスペックの低い魔法使いなので、その条件化でも機能する呪文の使い方を必死に考えなければなりません。
毎回旦那様が心配でついて行く主人公ですが、旦那様は心配もよそに自分で何とかしていて、結局いつも危ない目に遭うのは主人公自身です。そして、主人公が考えた魔法はたいてい主人公の予測を超えた何かとんでもない状況を引き起こします。このひとひねりした設定が面白いですね。毎話、読者は今度はどういうアクシデントが発生するのかと複線を探していく楽しみがあります。
まあ、かわいい子がダーリンと呼んでくれるなら、多少ドジでもいいですかね。意地悪な義母が始終家に出入りしているとか、気にさわるとすぐに電撃をくらわしてくるとかよりはずっといい気がします。https://www.amazon.co.jp/dp/B07HDT6YWL
自作の宣伝です。主人公はモテますが、甘々な感じとはならないです。たぶん性格が悪いんだと思います。「魔法の恋は恋ではないのか」問題についても言及しております。ついでにお読みください。全部 Kindle Unlimited で読めます。

文章に表現するのが難しいもの。音楽というのはその代表格ではないでしょうか。総じて芸術作品をそのまま言語化することは不可能事であって、どんな素晴らしい作品でも、というより素晴らしい作品ほど、その素晴らしさを言語によって読者の脳裏に再現することに困難さがつきまとうことになります。
非常事態宣言は解除されましたが、コロナ以前の元の生活はまだ当分戻ってこないようです。僕らは悪い魔女に呪いをかけられた眠りの森の王国の住人みたいなもので、まだまだ悪い夢から抜け出せないわけです。
先日、ZOOM飲み会なるものを初めてやってみました。帰りの心配しなくていいのは楽ですが、その分酒量が増えてしまうのが難ですね。
濃厚接触回避はおろか、STAY HOME SAVE LIFE が求められる今日この頃、世間の恋する高校生たちはどうしているのでしょうか。
家にいるとゲームばかりしてしまいますね。これまでの人生で読書量がいちばん多かったのは、通勤時間が長かった時期でした。なんだかんだ言って、テレワークになると電子書籍はよけいに読まれにくいかも。悲しいなあ。
なんという偶然でしょうか。
これを書いている今、七都府県に緊急事態が宣言されています。「復活の日」は昔、映画館でひとりで見たけれど、何がライフ・イズ・ビューティフルだよ、くらいにしか思わなかった。カミュの「ペスト」も若い頃に読んみましたが、ほとんど記憶に残っていません。いやはや、こんな日が現実に来ようとは想像もしませんでした。
今回は鵜飼真守『星見の辰之進』です。なぜこの小説かというのは、表紙に書かれている惹句をご覧いただければわかってもらえると思います。「江戸封鎖の真相」ですよ。江戸封鎖、江戸ロックダウンですよ。東京のロックダウンもありうると言われている今日、江戸が封鎖されるとなればこれは読まずにはいられませんよね。
まさかパンデミックなんて考えてもみなかったですよ。前の新型インフルエンザのときだって大山鳴動して鼠一匹って感じだったし、エボラ出血熱については手洗いできる国なら流行らないようだし。戦前の「眠り病」嗜眠性脳炎の流行のときはどうやらウィルスのせいだってことがわかったあたりでなぜか流行が沈静化してしまったらしいので、今回のCOVID-19もいい加減沈静化してくれないものでしょうか。